coding, photo, plant and demo

*青春の残滓を振り返る

20120122 162135
10代にその全てを費やし夢中になったものを青春と定義しよう。

さすれば、私の青春はコンピューターであった。
それは青春というより、宗教ですらあったかもしれない。

当時、80年代前中期あたりからは群雄割拠の時代を終え、NEC,富士通,シャープのパソコンが御三家と呼ばれる時代に突入していた。ユーザーは自分の所有する機械やメーカーに愛着と誇りを持っていた時代だ。
まだ、パソコンは道具としては未完成であり、完全に趣味の機械であった。数十KBの庭で貧弱なBASICを覚え簡単なゲームを作っていた牧歌的な時代だ。

そういった趣味の時代であったからこそ、より自分の機械に愛着を覚え、それを使いこなそうと皆頑張ったのである。如何に機械の限界を超えるか。制限のある環境で如何に新しいことをするか。そういったことに血道を上げていたのである。

そういった中で一際エポックメイキングだったのがMZ-700のゼビウスである。MZ-700は文字しか出せないショボイハードの烙印を捺されていた機種ではあった。しかし、その上で当時の先端のパソコンにトータルで引けをとらないような完成度でゼビウスをMZ-700に移植した人が現れたのである。そんなことは誰もができると思っていなかったため、お祭り騒ぎになり雑誌Oh!Xでは「MZ-700に不可能はない」という特集が組まれるまでに至った。

これはプログラムに限らず、技術やスポーツについても同じことが言えるだろう。無理だと、不可能だと思われていたものが可能になる。その奇跡と思われるような事実を目の当たりにしたときに起きる自分の価値観の転覆が興奮や希望を生むのである。

という話をなぜいきなり書いたかというと、そのゼビウスの作者である古籏一浩さんからサイン入りの本を戴いてしまったからである!
去年の暮れに戴いたのだけど、実家のOh!MZと並べたかったので遅くなってしまった。



古籏さんは現在はOpenSpaceというHTML関係の情報を集約したサイトを運営しています。
有名なサイトなので調べ物をする際に検索エンジン等に引っかかり、お世話になったことがある人は多いでしょう。

戴いた本もHTML/CSS/JSの改訂第5版まで出る有名なリファレンス本です。といいつつ、自分はリファレンス本を一切買わないので初見でしたが、ただのリファレンスではなく、実地で調べたブラウザの対応状況なども併記してあるのが便利です。ベンダーが勝手に拡張したイベントなども網羅してあるのが凄い。HTML5だCSS3だの言うけど、ブラウザや機種によって全然対応状況も挙動も違うので、こういった形でまとまっているのは嬉しい。



しかし、久しぶりに昔の雑誌を読むと面白い。
せっかく実家から古雑誌を持ってきたことだし、Oh!MZの1987年1月号、今から丁度4半世紀前の内容を少し張っておこう。そこには青春の残滓がまだ青々と残っている。

まずは表紙。

X68000の発売予告があり、ちょうどシャープ党のOh!MZ誌ではMC68000の特集が組まれてた。胸アツである。新機種が発売されるからといって、新機種に搭載されるMPUの特集を一パソコン誌が組んでしまうのである。時代だね。


当然、特集はピン配置から始まる。へー、データ転送ACKが10ピンで負論理かぁ。ってパソコン作る側にしか要らない情報だろこれ!って突っ込みそうになりますが、こういう情報が重要なんです。ピン配置がなければ新機種のワクワク感が半減です。その後、レジスタ構成、アドレッシングモード、命令セット、例外処理と続きます。こうなってくると、付録にデータシート付ければいいじゃん、という気さえしてきますね。
ちなみに記事を書いているのは、桑野雅彦さんです。トラ技で今も見かけますね。最近はPSoCにはまってたようです。






適当に表紙からめくっていくと、めくるめく8bit時代の広告が!

SuperMZことMZ-2500。MZ-80B持ちの僕からすれば憧れでした。マジで欲しかった。


目次。なぜだか右上で石の紹介。今月はV30を紹介。


発売前のX68000の広告。「夢を超えた。」この一言がたまらんね。夢が詰まっている。


X1Gの広告。「狙いすました 遊ハンター X1G新登場」。謎過ぎる。


ShogunっていうX1向けのワープロソフト。あったなあ。


ファルコムのロマンシアに、テクノソフト!テクノソフトってどうなったんだろう。ってもう潰れてた。シューターにはサンダーフォースでお馴染みでしたが。


Oh!MZ特有のバリバリ現象により、紙面が空中分解してしまった…。御なじみの光景ですがなんで今までバリバリになっていなかったのかというと、この本は10年以上前に草の根ネットCUREC-NETで知り合った方に譲っていただいて、そのまま開きもせずに保管していたからです。めちゃくちゃ保管状態が良かったのに、ここに来て空中分化してしまい無念。

で、このページは、今年を代表するゲームを決めよう、という企画のノミネート作品一覧。
ザナドゥが強いって書いてある。が、今ザナドゥなんて誰も知らないよな。しかし、他のウィザードリィ、三国志、A列車で行こう、といったノミネートが豪華すぎる。今でも続くような名作がこの80年代後半に続々と生まれたんだよな、けど当時はザナドゥが人気だったのか、と振り返ると感慨深い。


ザ・68Kマシン。どれだけ68Kが好きなんでしょうか。
LisaやらMacやらAMIGAやら。次のページにはSunやNEWSが載ってるけど割愛。


有田隆也先生(現在は名古屋大学教授)の知能機械概論が第2回目だった。
卒論で、ランギーという仮想動物モデルを作り、それが言語を獲得していく様子を書いたという話。みんな出鱈目にモノにシンボルに付け発信するけど、徐々に仲間内で通じる共通のシンボルに落ち着く実験結果について書いてあるが、普通に今読んでも面白い。というか、当時は読んでも意味分らんかった。


吉田幸一とか懐かしい。
荻窪圭の別名だったんですな。氏の名前はネットのデジカメ関係でよく拝見しますが、最近の肩書きは猫写真家なのか。これはウィザードリィのレビューだけど、これも今読んでも面白い。文才あります。

12.02.04 11:36 owotake
ちゃんととってあるのがすごい!でもその残滓とか老けこむのはもうすこしあとでもいいと思った。というわけで同じ残滓なら
http://kawabo.shop-pro.jp/?pid=25388927
こいつの残滓を考察したいとおもうのだがどうだろうか。
12.02.05 23:11 mtm
>【保存方法】
>※必ずお守りください
>シュールストレミングは缶の中で発酵しております。常温での保存はできません。発酵が進み、缶が爆発する事もあり、大変危険です。必ず冷蔵庫にて保存をしてください。
とか危なすぎるw
しかしこれは食べるしかないな…
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