小さな家がさながら小さな図書館のようになっていた。
その中で幾らか乱読したものを挙げる。
「がんばれ!銚子電鉄 ローカル鉄道とまちづくり」
地方鉄道の歴史、これからの地方都市の在り方、ネットの影響力、いずれかに興味があれば読んで損は無し。
2006年ごろですが2chを中心とした力が銚子電鉄の継続に大きな役割を果たしたようです。
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たまにはいいことするね、2chも。
「それでも遺伝子組み換え食品を食べますか?」
タイトル通り、遺伝子組み換えの危険性を指摘する本。
何がどう危険か分かってなかったので、勉強にはなった。
一言にGMといっても
人体への影響、生態系への影響、政治的な問題など、
懸念すべき点は幾つもある。
ただ、遺伝子組み換え技術自体は非常に有用なことは間違いない。
選択の余地を無くすとか、安全性の確認を怠るとか、政治的な問題が大きいように思う。
中立な立場で知識を得たいなら、
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あたりを読むのが早いかな。
以前起きた問題は以下が分かりやすい。
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「にっぽん鉄道旅行の魅力」
鉄道マニアのおっさんがゆるーい感じにローカル、メジャー問わず日本の鉄道の魅力を伝えてくれる本。
としか形容できないが、読むと無性に鄙びたところへ列車旅行したくなる不思議。
「任天堂 “驚き”を生む方程式」
これは日本の全てのメーカーで働く人が読むべき本だな。
「山内溥という人は何にこだわっていたか。
『娯楽はよそと同じが一番アカン』ということで、
とにかく何を作って持っていっても、
『それはよそのとどう違うんだ』と聞かれるわけです。
『いや、違わないけど、ちょっといいんです』というのは
一番ダメな答えで、それではものすごく怒られる。
それがいかに娯楽にとって愚かなことかということを、
徹底していたんですね」
「任天堂は、稟議を通すのためのプレゼンテーションや交渉、社内調整など煩わしい作業を、
あまり要求しない会社なのだと、岩田は言う。
『例えば宮本が、会社からどうやって予算を取るかということに、
時間やエネルギーの半分を使わなきゃいけないとしたら、今と同じだけのクリエイティブのパワーを
この年齢で維持できてないと思う。その価値を(宮本は)若いころにわかりました、ということなんですね』」
ファミコン以降の任天堂が強い理由は、任天堂の投資の妙味もあるけど、
HALやポケモンといったセカンドパーティが質が高く商業的に大ヒットするソフトを
安定供給したのがあると思う。そこらへんはあまり触れれていない点が不満か。
しかし、こういう礼賛本が出始めると何故かそのタイミングでピークアウトするもんなんだよね。
ソニーしかりトヨタしかり。
『ココ・シャネルという生き方』
ブランドモノを買うやつはバカ、と思っている僕ですが、
そんな僕ですらこれを読んだらシャネルという人物は好きにならざるをえない。
強烈な芯の強さで、単なる服飾デザイナーではなく、女の生き方そのものを革命した彼女の物語は
のらりくらりと生きている自分のような人間には畏怖すら感じる。
しかしその常に時代の先端を走り、次々に新しいものを発表し続けた革新派のシャネルすらも
最期は新しく台頭するミニスカートなどのファッションを攻撃する保守派の代表となるところがなんだか感慨深い。
ファッションは経済や政治、戦争にも大きく左右されている。
また、ディオール *0 などのブランドとの相関関係や
ココの死後の話など他にも興味は尽きない。
けど、あんまりネットにまとまった情報は無いですねえ。
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「算数宇宙の冒険」
小学生がゼータ関数を舞台にドタバタ劇。
話自体は子供向けなのに、内容はゼータ関数やらリーマン予想やらの高難易度っぷりが
ちぐはぐであり、結局のところwikipediaでいろいろ調べる羽目になったのだった。
ただ、数学の面白さは伝わってきます。
細かいことは分からなくても、全ての自然数と全ての素数がゼータ関数で繋がってるなんて、子供でも分かる楽しさといえます。
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しかしゼータ関数の解析接続は難しいなあ。
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繰り込みもなんだか騙されているとしか思えない。
しかし、コマネチ大学でもネタになっていた模様。
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の説明がわりと分かりやすいかな。
年末にHNKでポアンカレ予想やリーマン予想に関する特番があったようですね。
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素数やらを弄り回しているだけの純粋数学の話が、
突如最先端の物理学と結びつくってのはなんか凄いよねえ。
*0 : 第2次世界大戦後、古いスタイルのディオールの台頭がシャネルの復帰の引き金となった