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*袋田の滝

travel 20120104 173646
JR東日本のスリーデーパスで1日余った。暇だし久しぶりにぶらりと一人旅でもしようかなと思ったら、嫁が「袋田の滝にでも行ったら?」との情報提供。

袋田の滝 、よく知らんが日本三台名瀑のひとつらしい。距離も程よいので行くことにした。

常磐線 まで水戸まで行き、 水郡線 で袋田まで。水戸は意外と都会だった。水戸は駅ビルが充実してる。


水郡線は単線でワンマン、ディーゼル。ひとふた駅も行けば長閑な田舎の風景になる。
袋田の駅から滝までは3km程。バスも出ているけど徒歩で向かうことにした。時間は昼過ぎ。軽く歩いたほうがご飯がおいしい。

道中の川が半分凍っていた。厳冬期の袋田の滝は凍るようだが、今日はどうなんだろうか。


しばらく標識に従い歩くと派手というか蕎麦屋の看板の群れに遭遇した。


そろそろ何か腹に入れたいが…しかしこの景観はどうにかならんもんかね、と、どの店にしようかうろうろしようとしたら、最も手前の蕎麦屋のおっちゃんが「うちはそばもこんにゃくも手作りだ!」等と味への自信等の営業トーク。その強烈な客引きに負けて店内に引き込まれる。

おろし ざるそば大盛りを頼んだ。1200円。


蕎麦はいかにも手作りと言う愚直な美味しさがあった。麺が太く短めに切ってあり、蕎麦らしからぬ食べ応えもあった。そして、サービスで付けてくれた刺身こんにゃくが旨かった!蒟蒻ってこんなに旨いものだったのか。ちょっと感動した。土産屋で知ったが、袋田って蒟蒻が名産品だったらしい。土産屋でゆずこんにゃく等を試食したけど、絶品だった。取り寄せたい。

ところで蕎麦屋には先客がいた。30代半ばと思しき男4人組みが一番搾りを飲んで地元トークを繰り広げていた。運転手だけ飲んでないのかなあ、と思ったら勘定の後、皆それぞれが単車で去っていった。流石茨城である。

滝に近づいていくと徐々にお土産屋や旅館が増えてきて、観光地っぽい雰囲気になってくる。


300円の入場料を払い、展望台へ向かうトンネルへ。


滝はかなり巨大なので、展望するポイントが多数ある。
最初のポイントはこれ。

え?なにこれ?滝どころか水もないじゃん!凄まじいガッカリ感。

大丈夫かこの観光地?と思いつつ次のスポットへ。

なんかきたー!ってことで、ここからが滝が展望できるスポットだったようだ。大部分が凍っているが、流れている部分もある。これはこれで面白い。
上から滝を俯瞰することもできる。


高さ120m高さ73mということで、スケールでは日本の中では圧倒的なのでは。少なくとも三大名瀑に数えられる華厳の滝よりは遥かに印象的。水量が多い春先や紅葉の季節にもう一度見に行きたい。


しかし観光資源としてはかなり良いのだと思うのだけど、周辺の寂れっぷりが若干心配になった。


車の往来はある場所なのに潰れて廃屋と化した物件が多い。滝に近い部分は栄えているのだけど、滝から離れるほど枯れた観光施設が増える(写真は民家っぽい廃屋も入ってますが)。観光資源もあり、集客力もそれなりにあるように思えるのだが、少し離れるとかつての栄華を連想させるような建物が朽ちている。なんとも不思議な光景だ。

例えば以前より集客が減ったという経済的な要因もあるのだろうけど、おそらく跡取りが居ないという問題もあるんだろうね。先の蕎麦屋でも60過ぎの夫婦で切り盛りしていたが、おそらくどちらかが亡くなったらお店は継続できないだろう。仮に今まで収支が合っていたとしても店を畳むしかない。息子が居たとしても、都会に既に経済基盤が移っていたら戻ってはこれないだろう。

とはいえ過疎化は田舎の経済が崩壊しているのが大きな原因であるから、全ては経済の問題に置き換えてよいのかもしれない。となると日本経済の構造上の問題で、もはや見守ることしかできないことになる。唯一できるのは、観光地でできるだけお金を落とすことくらいか。

地方観光スポットが10年20年30年後、どうなるのか気になるところです。俺らが無事老後までたどり着けたとしても、国内に観光するところがねーよ!ということにはなりたくないからね。一億総廃墟マニアになればいいのかもしれんけど。

そんなことを考えながら、滝から駅へ戻る道を歩いていたら、蕎麦屋を通り過ぎるときに、おっちゃんたちがわざわざ店から出てきて、気をつけてなー、と声をかけてくれた。驚くと同時に嬉しかった。一人で旅していると、こういう何気ない人情が身に染みる。


ということで、明日は青森に行ってくる。別にそんなつもりはなかったのだけど、青森は全国で人口流失ワーストという地方経済の最先端を行くところらしいので *0 、そこで何が起きているのか知りたいと思う。ってただ街ぶらついて飯くって風呂入るだけですが。
*0 : chakurikiに「有効求人倍率と年間所得の低さと自殺者数の割合を考えれば、一生青森で生きていくほうが逆に難しくなってきている。」とまで自虐的に書かれていて笑ってしもうた