僕にとってグラナダと言えばゲームが真っ先に思い浮かぶのだけど、世の中的にはスペインの グラナダ のようだ。1日訪れたが、まあここも素晴らしい街だった。
イスラム建築の最高傑作といわれるアルハンブラ宮殿から、イスラム時代の旧市街地、カテドラル、至るところが名所。今回、ひよって10-20mmで全部撮ってしまい味気ない写真ばかりになってしまったが、1週間くらい滞在して時間やレンズを変えつつ写真を撮りたいと思った。
街の中心部の噴水で日本人ガイドの方と合流し、色々な歴史などを聞きながら街を散策。グラナダ在住のグラナダについて語りだしたら止まらないそのガイドさんのおかげで、漫然と街を歩くより100倍面白い体験ができた。最初、ガイドなんて要らないよ、行く前に予習していけばいいじゃん、等と思ったが、素人が多少本やネットで調べた知識とプロの知識ではシャンメリーとウォッカくらい濃度が違う。楽しみたかったらガイドを雇った方が良いと思い知った。
ちなみにそのガイドさん、30年ほど前にモロッコへ行く途中グラナダに寄りそこで衝撃を受け、再訪し居を構え現地の方と結婚して今に至るという、グラナダ愛に溢れすぎている方だったりして本も出しているとか。
一番魅力的だったのは旧市街地の雰囲気だった。
何気ない建物が16世紀の建築。狭く入り組んだ迷宮のような街路が時代感覚を数百年狂わせる。今って21世紀なんだっけ?
グラナダには大学もあり学生が多い。ということは飲み屋もリーズナブルだ。クリントン元大統領もお気に入りで宇宙飛行士の向井さんらも連れて来たというバルに入ったが、2ユーロでビールが飲める上に、タパス1皿が提供される。安すぎる。
この街は環境音も素晴らしい。大通りから一本奥まった路地を歩くと、誰かしらがギターを弾いている。グラナダ大学にはギターの専攻科があるためか、至るところにギターを弾く男がいる。その音色が雑踏の音と混ざり合い、狭く複雑な路地に反響する。その豊穣で猥雑な音場はどのホールよりも素晴らしいと思った。個人的に、カテドラルの近くで聞いたアルハンブラの思い出が衝撃なのだった。録音しとけば良かった。
さて、アルハンブラ宮殿が面白いのは、イスラム建築が偶像崇拝を認めていないために、人や動植物などの意匠を持った装飾が一切存在しないところ。まるで、フラクタルのように数学的に規則正しく複雑な紋様が漆喰で作られている様は、レイマーチンのデモを見ているようだ。外観には一切装飾が用いられていないのも面白い。聖人などの偶像や絵画で埋め尽くそうとするカトリックの建築とは対照的な美しさがある。