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*北上展勝地と角館

travel 20130503 222651
パック旅行で厳美渓、中尊寺、北上展勝地、毛越寺、角館、等々を見てきた。


上野でお弁当を買う。
やはり、列車旅の楽しみのひとつはお弁当。


一関で下車。
降りる前からホームから、ドンドコドンドコ、低音が響き渡っていたので何かと思ったら、
和太鼓を叩いて歓迎されてた。
これは良い演出だな、と感動してしばらく見たかったんだけど、
「バスがあるでしょ!」と嫁にブチ切れられて写真を1枚切るのが精一杯。残念です。


厳美渓に行くために止めた場所が、不思議なガラス工房の駐車場。
寂れた田舎のテーマパーク感丸出しなんだけど、厳美渓のおかげかかなり人が入っていた。
お店の中自体は、見かけの胡散臭さとは違い、かなりまともだった。


どう胡散臭いかと言えば、こんなノリの展示が延々とあるのだ。しかし「人生これからだ」ジョッキはかなり欲しい。これがあれば何杯でもビールが飲めそうだ。


厳美渓 自体はこんな感じ。


言わずと知れた世界遺産、中尊寺。
奥州藤原氏 の栄華が偲ばれる。
清衡、基衡、秀衡と三代で築き上げた権力と財力により、平泉は当時京都に次ぐ日本でナンバー2の都だったようだ。特に、毛越寺は「それの壮大な伽藍と庭園の規模は京のそれを凌いだと言われている」ほどだった。大陸との貿易を独自に行っており、文明的にもかなり進んでいたようだ。

しかし、秀衡の死後、泰衡に代わってから僅か三年で奥州藤原氏は頼朝によって滅亡されられる。たった20日の奥州合戦により、奥州藤原氏は全滅し、京に次ぐ都だった平泉は灰燼に帰してしまうのだ。なんと儚いことか。
松尾芭蕉の句が沁みる。
 夏草や 兵どもが 夢の跡
[句解釈]   人気のないところに、今はただ夏草だけが生い茂るばかりだが、ここは、かつて義経主従や藤原一族の者たちが功名・栄華を夢見たところである。知るや知らずやこの夏草を眺めていると、すべてが一炊の夢と消えた哀れさに心が誘われる。
おくのほそ道文学館より。

中尊寺は再現されているが、毛越寺は再建されておらず、基礎と浄土庭園しか残っていない。
というより何度か再建された部分もあるようだが、結局燃えるなどして跡形もない。
それ以前の アテルイ も悲しい話だし、東北には中央に蹂躙された悲しい歴史が多いのであった。沖縄もそうだよね。とはいえ、中央は中央で最も激しい権力闘争が常にあるわけで、一方的にどちらが幸せかとも言えないとは思うが。


北上展勝地へ。いきなり暖かくなったため、ほぼ満開だった。



大船渡の牡蠣小屋が出張していた。
食べ放題ではなかったけど、やっぱり東北の牡蠣の美味さは次元が違うな。
なんだろうね、これ食べちゃうと、都内のオイスターバーなんて高くて不味くて行く気がしない。

そういえば、添乗員の神田さんという方が、知識と岩手愛が物凄い人で、道中色々話されていて大変勉強になった。
歴史から郷土の偉人、方言、名物などについて話してくれた。偉人といえば、 三船久蔵宮沢賢治石川啄木 、小沢一郎(!)の話など。

http://www.youtube.com/watch?v=1ye5DC7sVTw



盛岡地裁にある 石割桜


小岩井農場 の一本桜。咲いてないけど。
日本鉄道会社副社長の小野義眞(おのぎしん)、三菱社社長の岩崎彌之助、鉄道庁長官の井上勝の三名が共同創始者となり3名の姓の頭文字を採り「小岩井」農場と名付けられた。
知らんかった。完全に地名かと思ってた。


角館 の桜、全く咲いてない!1分咲きどころかまさかの0分咲き。


けど武家屋敷が非常に良かった。
明治の近代化の影響も受けず、空襲にもあわず、当時の攻められにくいクランクのある路地の町割りや屋敷がそのまま残っている。中でも青柳家、石黒家は有料だけど見る価値あり。特に青柳家に残る資料は凄い。武家時代から太平洋戦争までお宝だらけ。様々な時代の戦争の資料や、カメラや蓄音機が大量に見られる。幕末の写真展示等も。

慰問袋って名前がなんか凄いよね。


面白かったのが、この辺の旅行客って老人が多いんだけど、話している内容が
「わしも小学校は国民学校だったからなー」
とか
(蓄音機を指差しつつ)「これ懐かしい!うちにあったわ!」
等というもので、もう僕の世代だとこういった資料館は、あくまで完全に歴史の資料として妄想を膨らませて楽しむモノなのに対し、彼らは思い出の一部として楽しんでいる。そういうのを見ると、どうやっても僕らには理解できない感覚、知識では説明できないその時代の空気を知っている老人が羨ましくもあるのだった。

石黒家は青柳家と比べるとボリュームはかなり小さいけど、アテンドが説明してくれるし、何よりまだ石黒家の直系の方がその見学できる屋敷に住んでいる!まじかよ!ここから先は入れません、ってそういうことかー、ってちょっと驚いた。

唯一角館で咲いていたしだれ桜。

今度は満開のときに行ってみたい。
あとSimga 30mmF1.4で撮ったけど、SEL50F18に慣れるとやっぱボケに満足がいかない。これじゃ完全にスナップ専用レンズだなあ、このシグマは。30mmくらいでボケが綺麗なレンズが欲しい。

ちなみに宿は花巻温泉でした。
あんまり期待していなかったけど(実際、部屋は普通)、食事はかなり良かったし、風呂もいろいろハシゴできて意外に良かった。