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*麻雀の山とツモに関する確率シミュレート

麻雀 20130602 163232
麻雀は確率のゲームです。
「7巡目で両面聴牌、しかも当たり牌は1枚しか見えていないな、トップだけど和了れそうだからリーチだ!」
「三萬嵌張でテンパったけど、三萬は3枚見えてる。和了れる気がしないから黙っとくか」
とか考えながら遊んでいるわけです。

しかし、場に一枚見えている両面待ちが、山にどれだけ残っていて、どれだけの確率でツモれるかって、意外と感覚じゃ分からない。

ということで、シミュレータを作りました。

山に残る枚数
http://cygx.mydns.jp/mahjong/nokori.html
これで見えている枚数から、山に残っている枚数を算出。

ツモの確率
http://cygx.mydns.jp/mahjong/tsumo.html
山に残っている枚数から、ツモる確率を算出。

※モンテカルロ法なので、毎回誤差が若干出ます。

ツモ山に残る枚数は、見えた枚数以外に「巡目」と「他家がその牌を捨てる確率」が要ります。この捨てる確率の算出が難しいのですが、単純に平均すると、一人あたり(136 - 14) / 4 = 30.5枚配られて13枚配牌に残るので、(30.5-13)/30.5=57%を捨てます。字牌ならもっと高いし、中張牌ならかなり低いし、ドラならさらに低いはず。かなり状況に依存する確率ではありますが、どこかに統計はないものですかね。


では使い方を見ていきます。

「7巡目で両面聴牌、場に当たり牌は1枚しか見えていない。ツモれる確率は?」
中張牌の待ちとして他家が河に捨てる確率を25%と見積もると、山に残る枚数は3.88枚と出ます。これをツモの確率に入れると、55%でツモれることが分かります。

仮に4枚切れだとすると、2.25枚で36.63%でツモですが、4枚も切れているということは場にそこそこ安いと考えられ、他家が捨てる確率を高めに見積もった方が自然です。よって平均の57%と見積もると、2.76枚で43.24%のツモでそんなに1枚切れと差は出ません。「山に残る枚数」の「この状況になる確率」が低い場合は、特殊なケースとしてあまり信用せず、他家が捨てる確率を見なおした方が良いでしょう。

次、「三萬の嵌張聴牌、10巡目、3枚切れでラス牌をツモる確率は?」
三萬を他家が捨てる確率を50%として同様に計算すると山には0.57枚残っていて、ツモる確率は9.47%。
仮に一枚も切れていないとすると、2.23枚残っていて33.52%でツモる。ただしこれも先と同様に、1枚も切れていないなら他家の捨てる確率を低めにして見積もるべきで、これよりも低い値になるはずです。



さて、ここまで書くと現実はどうなの?と気になるところです。

天鳳の牌譜を解析しているブログの残り枚数と立直順目によると、残り枚数7枚で立直は、和了率57%、ツモ率27%、放銃率12%、被ツモ率12%だそうです。手元のシミュレータだと7巡目残り7枚だとツモ率55%と出ましたが、実際はロンや放銃、被ツモがあるので、なるほど分からん。直接は比較できないのでした。

また、とつげき東北氏の科学する麻雀では、p98で「本書は「当たり牌の枚数」というものについてほとんど言及しないが、それは(中略)、和了り等に大きな影響を与えず、全体の戦略は変化しないことが多い」と書かれています。実際、今回の「山に残る枚数」シミュレータにおいては、見えた枚数と他家が捨てる確率は独立な変数として設定できますが、現実はそうではないはずです。先のシミュレーションでやったように、枚数切れてるなら、そもそも捨てる確率も高いってことと推測できて値を調整すると、思ったほど見えた枚数で差は出ない事が多いです。もっともラス牌等の特殊な状況の場合は結構変わりますが。


ちなみに唐突にこれを調べたくなったのは、モンティ・ホール問題という問題をみて人間の直感とは当てにならないなー、と思ったから。wikipediaから、引用すると
「プレイヤーの前に3つのドアがあって、1つのドアの後ろには景品の新車が、2つのドアの後ろにはヤギ(はずれを意味する)がいる。プレイヤーは新車のドアを当てると新車がもらえる。プレイヤーが1つのドアを選択した後、モンティが残りのドアの内ヤギがいるドアを開けてヤギを見せる。
ここでプレイヤーは最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更しても良いと言われる。プレイヤーはドアを変更すべきだろうか?」
これ、初見で分かったら、かなり直感が凄いというか、ギャンブラー向きだと思う次第。