経団連の米倉会長は「予定どおり消費税率を引き上げないと、日本の財政再建に対する信認が瞬く間に失われるおそれがある。事業者も消費者もすでに引き上げを前提に経済活動を行っているのでこの段階で覆されれば、実体経済に影響が出ることも考えられる」と述べ、予定どおり引き上げるよう主張しました。http:/
らしいけど、別に消費税率を10%上げたくらいでは何も変わりません。増税は社会保障のためらしいですが高齢者が既に4人に1人、すぐに3人に1人になるでしょう。老人のために足りない社会保障費はうなぎ登りなのに、税が取れる労働者はどんどん減っていくんです。
統計局ホームページ/I 高齢者の人口
社会保障の費用と、その財源はどのように変化してきた?
抜本的に社会保障費を減らさない限り財政再建はどうにもならんのです。なのに、せっかく保ち治るかもしれない景気の腰を折ろうとする愚策。せっかく金融緩和をやったのに台無しでしょう。セットで緩和をするなら、その予算を始めから足りない社会保障費に突っ込めばいい。
そもそも財政がここまで悪化したのは、税金を無駄遣いしているのが本質ではなく、デフレです。日本以外の国は順当にインフレが続いているのでGDP比の債務残高は積み上がりません。日本がアカンのは20年間デフレで過去の債務が小さくなるどころが大きくなってしまった点でしょう。現状の経済システムがインフレでしか成り立たないのに、20年間もデフレに日本経済を晒してしまった政府、官僚、日銀の罪は果てしなく重い。
債務残高の国際比較(対GDP比)
経済は自然に成長します。そしてそれに準じたマネタリーベース、サプライを供給しなくてはなりませんが、それを怠ったため日本の経済は纏足のように窮屈な血の回らない不健康な状態になってしまいました。銀行が融資をしないなら、政府が財政出動し金を市中に流せばいいしそれで経済が回り銀行の融資も活発になったら財政出動を控えるなり増税してマネーサプライを調整する、それが本質なのではないんですか。財政赤字が大きいから増税しましょうってのはおかしいのでは?重要なのは実体経済、産業の振興であって数字はあくまでそのための道具に過ぎないはずです。数字を整えるために実体経済を壊していては本末転倒すぎます。
だいたい増税以前にインフレ自体が最強の取税なんですよ。新しく円を作った分、既に円を持っている人は等しく価値を定率奪われる。変に税制を変える面倒なぞなくても円建ての金融資産を持った全ての人から等しく価値を徴収できる。もちろんハイパーインフレになったら元も子もないですが、現状その心配がないどころか世界で有事がある度に安全資産として円が買われる現状なら政府はどんどん国債を日銀に(間接的にでも)引き受けて貰えばいいんです。それでデフレが解決するなら一石二鳥。
それでもなぜ増税したいか、すごく矮小に物事を考えれば、財務官僚や政府としては増税すれば予算が増え、自分達の権限が増すからなんだろうね。(さらに言えば彼らは規制を作れば作るほど自らの権力が増えるから、規制を作るのも大好きなわけだ)
同じように穿った見方をすれば、唯一日本銀行券が発行できる日銀としては、その円の価値を守ることが自分の権力の維持なわけで、物価安定とか金融システムの安定とかの大義名分はあるにしろインフレにはしたくないのも当然なんでしょうね。(正直、日銀が日本の経済を良くすることを考えて何かをしているとは思えない。彼らの権力を保つためにやっていると考えれば大体の筋が通るように思う)
と思ったら、単に天下りとかとも関係有るという説も。いやはや金融の世界は複雑すぎて良く分からん。
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