暇なのと夜更かししても怒られないのでamzonプライムで色々見てみた。
その中でもウォーキングデッドが設定がリアルで怖すぎる。アメリカのゾンビドラマだけど、まだ怖くて2話くらいしか見れてない。怖いけどこのゾンビというのはなんとも気になる存在だ。
ゾンビの特徴
どうやら見た感じ、ゾンビの特徴は以下のようだ。
- 頭を打ち抜かれない限り不死 (上半身だけでも死なない)
- 血色が死人同様、治癒能力無し?
- 知能や運動能力・感覚器官の性能の著しい低下
- 血を目や口等の粘膜に浴びると感染し、高熱が出て死んだ後(?)ゾンビとして蘇生
- 生血や生肉を欲しがる・食べる
ゾンビのエネルギー(ATP)生産
なかなか不思議な生き物なんである。
ひとまず、顔色の悪さや下半身が千切れて上半身だけでも生きているところをみると、心臓は止まってて循環器系は死んでいるんだろう。つまり、酸素・糖分・脂質などは細胞に供給できないし、老廃物も回収できない。しかし、知力体力は低下しているものの、動いている人間を見つけ出し喰らおうとするのだから、ある程度の脳と神経系は動いているし、筋肉も使えることは明らか。一体どういうことなのか。
脳や筋肉が動くということは、ざっくり言えばATPが生産できるということである。ATPは人間の細胞の場合は、ミトコンドリアのクエン酸回路で行われる酸素が必要な好気性反応か、酸素を必要としない解糖系という嫌気性反応で作られる。植物の場合は、光合成でもATPが作られる。循環器系が死んでいるとすれば、酸素が供給されずミトコンドリアは動かないし、光の当たらない体内の筋肉で光合成はできないから、必然的に嫌気性呼吸が行われていることになる。人間だと糖を乳酸に分解する過程でATPを得ることが出来る。そうすれば神経も筋肉も動く。
しかし解糖系では瞬発力は出せるが、クエン酸回路と比べ効率が悪い。瞬く間に糖を消費して乳酸にしてしまう。もし酸素があれば乳酸はピルビン酸を経由してアセチルCoAに変換し、ミトコンドリアの燃料に使える。または肝臓に送って糖新生で乳酸を糖に戻す(ただしそのためには解糖系で得られる2ATPの3倍の6ATPが必要)。だがゾンビの体内では酸素は供給されない。
参考: 細胞内のミトコンドリアは、酸素とアセチルCoAで、多くのATPをうみだす
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10140398210
参考: 糖新生の経路
http://hobab.fc2web.com/sub4-gluconeogenesis.htm
参考: 十分に食餌を摂取している時の代謝
http://hobab.fc2web.com/sub4-shokuji.htm
細胞内の乳酸の濃度が高まり酸性度が高まる(アシドーシスと呼ばれる)と様々な障害が発生し、最終的に急性または遅発性の細胞死に繋がる。死後硬直も心臓が止まってもしばらく筋細胞は死なず嫌気呼吸を続け乳酸過多になるのが原因。大量のATPを必要とする場合、解糖系では効率が悪すぎるのでミトコンドリアに頼らざるをえない。嫌気性でしか動けないゾンビは使えるエネルギーが少ないから、知性も運動能力も大幅に落ちるのは必然だろう。視覚による認識は非常に高度でありエネルギーを多く必要とするので、音や匂いといった省エネなセンシングをゾンビが重視するのも必然である。
参考: 脳障害とミトコンドリア不全
http://www.maruishi-pharm.co.jp/med2/files/anesth/book/27/8.pdf
参考: 死体現象
http://yusan.sakura.ne.jp/library/postmortem_changes_wiki
ひとまず、顔色の悪さや下半身が千切れて上半身だけでも生きているところをみると、心臓は止まってて循環器系は死んでいるんだろう。つまり、酸素・糖分・脂質などは細胞に供給できないし、老廃物も回収できない。しかし、知力体力は低下しているものの、動いている人間を見つけ出し喰らおうとするのだから、ある程度の脳と神経系は動いているし、筋肉も使えることは明らか。一体どういうことなのか。
脳や筋肉が動くということは、ざっくり言えばATPが生産できるということである。ATPは人間の細胞の場合は、ミトコンドリアのクエン酸回路で行われる酸素が必要な好気性反応か、酸素を必要としない解糖系という嫌気性反応で作られる。植物の場合は、光合成でもATPが作られる。循環器系が死んでいるとすれば、酸素が供給されずミトコンドリアは動かないし、光の当たらない体内の筋肉で光合成はできないから、必然的に嫌気性呼吸が行われていることになる。人間だと糖を乳酸に分解する過程でATPを得ることが出来る。そうすれば神経も筋肉も動く。
しかし解糖系では瞬発力は出せるが、クエン酸回路と比べ効率が悪い。瞬く間に糖を消費して乳酸にしてしまう。もし酸素があれば乳酸はピルビン酸を経由してアセチルCoAに変換し、ミトコンドリアの燃料に使える。または肝臓に送って糖新生で乳酸を糖に戻す(ただしそのためには解糖系で得られる2ATPの3倍の6ATPが必要)。だがゾンビの体内では酸素は供給されない。
参考: 細胞内のミトコンドリアは、酸素とアセチルCoAで、多くのATPをうみだす
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参考: 糖新生の経路
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参考: 十分に食餌を摂取している時の代謝
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細胞内の乳酸の濃度が高まり酸性度が高まる(アシドーシスと呼ばれる)と様々な障害が発生し、最終的に急性または遅発性の細胞死に繋がる。死後硬直も心臓が止まってもしばらく筋細胞は死なず嫌気呼吸を続け乳酸過多になるのが原因。大量のATPを必要とする場合、解糖系では効率が悪すぎるのでミトコンドリアに頼らざるをえない。嫌気性でしか動けないゾンビは使えるエネルギーが少ないから、知性も運動能力も大幅に落ちるのは必然だろう。視覚による認識は非常に高度でありエネルギーを多く必要とするので、音や匂いといった省エネなセンシングをゾンビが重視するのも必然である。
参考: 脳障害とミトコンドリア不全
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参考: 死体現象
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ゾンビのエネルギー源
ゾンビの場合、循環器系が動いていないため嫌気性の解糖系で動いているとしても、糖の補充も乳酸の消費や廃棄もできない。おそらく、糖は補充されない代わりに細胞内にある核や小胞体・ミトコンドリア等のオルガネラやタンパク質・脂質を解体してATPを得る系を新たに獲得しているのではないだろうか。細胞分裂で新たにタンパク質が不要なら、殆どのオルガネラは不要だからエネルギー源として使ってしまっても良いはず。生き物が死ぬと様々な菌等が死体を分解していくわけだが、それは菌が分子を分解してより安定な状態に変換することで化学的な結合エネルギーを取り出しているわけで、その仕組みをゾンビ化した生き物は取り入れているのだと思う。
参考: 無酸素環境下における共生微生物の実体解明
http://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9011/9011_tokushu_4.pdf
参考: バイオマスの生物化学的変換
http://www.jie.or.jp/biomass/AsiaBiomassHandbook/Japanese/Part-5_J.pdf
参考: 嫌気呼吸…エネルギー代謝の起源について
http://www.eonet.ne.jp/~kotetu/metabolism_origin.htm
代謝した結果生まれる乳酸やメタンや水や酢酸といった何らかの分子は細胞膜内に留まっていると化学的な環境が維持できないため、外に放り出される。通常なら血流に乗って内臓で処理されるが、ゾンビの場合はどうにもならないからただ細胞の外に捨てているだけだろう。その結果、独特の腐敗臭を漂わせることになる。結果、徐々に腐りながらそのエネルギーを使って生きているのがゾンビということになる。
とはいえ、ゾンビ化すると血液などの流れも止まり、免疫系も停止している。つまり、雑菌によって腐り放題になってしまうことが予測される。ゾンビとしては、腐るエネルギーを自分で使いたいわけだから、勝手に雑菌によって分解されたらそのまま寿命が短くなり困る。作中でもゾンビ化すると一見腐っているが、相当長く生きながらえているから、細胞ごとに殺菌や抗菌の仕組みを持っていることが予想される。 抗生物質 とか 安息香酸 的なものを合成する系を取り込んでいるのではないだろうか。
参考: 植物の殺菌効果とそのメカニズム (高校生のレポートだけど面白かった)
http://www.takasaki-hs.gsn.ed.jp/ssh/research/report/h18report-research-4.pdf
ここまで考えたが、これだと生きている動物を喰らおうとするのはよく分からない。循環器系も消化器も停止しているなら、食べても消化はできないし、エネルギーにもできないと思うのだが。ただ血を浴びるとその浴びた部分の表皮の細胞は血を活用できるのかもしれない。あるいはゾンビ自体に食は不要だが、感染すると食欲を感じる脳の回路が壊れてしまい、ああなってしまうのだろうか。あるいは噛むことで感染させる、つまりゾンビにとっての生殖行為なのだろうか。その割には食い散らかしているようにも見えるが。あるいは脳細胞が殆ど死んだ状態とはいえ、薄っすらと自我が残っており、強烈な痛みや苦しみが常に意識を支配し、そこから生まれる怒りが健康な生身の人間に向かうのだろうか。
参考: 無酸素環境下における共生微生物の実体解明
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参考: バイオマスの生物化学的変換
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参考: 嫌気呼吸…エネルギー代謝の起源について
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代謝した結果生まれる乳酸やメタンや水や酢酸といった何らかの分子は細胞膜内に留まっていると化学的な環境が維持できないため、外に放り出される。通常なら血流に乗って内臓で処理されるが、ゾンビの場合はどうにもならないからただ細胞の外に捨てているだけだろう。その結果、独特の腐敗臭を漂わせることになる。結果、徐々に腐りながらそのエネルギーを使って生きているのがゾンビということになる。
とはいえ、ゾンビ化すると血液などの流れも止まり、免疫系も停止している。つまり、雑菌によって腐り放題になってしまうことが予測される。ゾンビとしては、腐るエネルギーを自分で使いたいわけだから、勝手に雑菌によって分解されたらそのまま寿命が短くなり困る。作中でもゾンビ化すると一見腐っているが、相当長く生きながらえているから、細胞ごとに殺菌や抗菌の仕組みを持っていることが予想される。 抗生物質 とか 安息香酸 的なものを合成する系を取り込んでいるのではないだろうか。
参考: 植物の殺菌効果とそのメカニズム (高校生のレポートだけど面白かった)
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ここまで考えたが、これだと生きている動物を喰らおうとするのはよく分からない。循環器系も消化器も停止しているなら、食べても消化はできないし、エネルギーにもできないと思うのだが。ただ血を浴びるとその浴びた部分の表皮の細胞は血を活用できるのかもしれない。あるいはゾンビ自体に食は不要だが、感染すると食欲を感じる脳の回路が壊れてしまい、ああなってしまうのだろうか。あるいは噛むことで感染させる、つまりゾンビにとっての生殖行為なのだろうか。その割には食い散らかしているようにも見えるが。あるいは脳細胞が殆ど死んだ状態とはいえ、薄っすらと自我が残っており、強烈な痛みや苦しみが常に意識を支配し、そこから生まれる怒りが健康な生身の人間に向かうのだろうか。
ゾンビの感染メカニズム
さて噛んだり体液が粘膜に入ると感染するらしいが、感染する仕組みはどうなっているのだろうか。こんなにも大幅に身体の仕組みを書き換えてしまうのは不可能なようにも思える。可能性の一つとして、がんウイルスのようにDNAを書き換える仕組みが思いつく。これにより嫌気性で動くような細胞に変質させることはできないだろうか。例えば嫌気性の菌をベースとしたオルガネラをミトコンドリアのように組み込み、不要なものをアポトーシスさせる。感染すると、どんどんそのウイルスが体内で量産され拡散していくと同時に、細胞が嫌気性に変質していくのである。体中で炎症反応が起きて高熱を出す。最終的に造血幹細胞なども感染し新しい血は作られなくなる。心筋など膨大なエネルギーを必要とする細胞も感染し、嫌気性になることで出せるエネルギーが著しく低下し本来の機能を果たせなくなる。そして人間としては一度死ぬ。死ぬとウイルスに感染した酸素が無くても生き延びる細胞のみが残り、後は腐りだす。これによりゾンビの完成となる。
参考: がんウイルスによる細胞がん化のメカニズム
http://www.biken.osaka-u.ac.jp/biken/BioScience/page21/index_21.html
参考: がんウイルスによる細胞がん化のメカニズム
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まとめ
ゾンビは
- 酸素不要でとっても省エネでエコな生き物
- 高度な多細胞生物でありながら、個々の細胞も独立して生き残れるという、ハイブリッド仕様
- 感染メカニズムはよくわからないが、非常に高度な細胞の再構築を行っているのは間違いなく、医学や分子生物学的にも非常に興味深い