前作に特に強い思い入れもなく、PKディックのファンということもなく、期待もせずにみたらかなり良かったです。ああいう退廃的な近未来の映像と音がひたすら流れるだけで恍惚。満足。あとジョイちゃんのお楽しみシーンが良かった。AR時代のエロの方向性が見えてきましたね。
ただ幾つか理解しきれない点があって悶々として(これもよい作品の一つの条件な気がする)、世の中の感想を幾つか読んだのでメモ。
山形浩生 - ブレードランナー2049を見てきて……
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前作を愛するあまりに本筋に関係ないようにみえる話が多すぎて尺が長いので削ったほうがいいんでは、っていうのはそうなのかもしれないけど、自分は前作のファンでもないので逆にそこはそう思わなかった。
自分は攻殻の実写版はまさに前作愛が強すぎてファンムービーになってると強く感じて、よくできていると感心したけど話に入り込みづらかったんだけど、人によってはそういう感覚になるでしょう。
aonbo - ブレードランナー2049 正直ガッカリ。(ネタばれ少々)
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要約すると話の主軸が散漫としてるし、まともな恋愛もないし、楽しめんって感じかな。
とはいえこの映画を楽しむためには、人工知能でホログラムのジョイちゃんとの愛も視聴者が認める柔軟さが必要かもね。前作がレプリカントの愛なら、今回はレプリカントとAIとの愛が止まらない、ってことで次回作ではジョイちゃんが実は生きてて子ができてて、生命の秩序がさらに崩壊、という展開を希望。
小石輝 - 『ブレードランナー2049』を100倍楽しむための「バーチャル恋愛」と「バーチャル家族」論
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この人の考察が一番唸りました。Kの心理状態が適切に言語化できてるような気がします。ついでに君の名はの考察も面白い。
dragon-boss - [cinema]ブレードランナー2049/あの光を夢だと思った
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演技などについて評価。最初に出てくるサッパー役がいい味出しているのは確かに思った。
tetsugakuman - 映画「ブレードランナー 2049」ネタバレと感想 短編も要チェック
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言うことを聞かない主人公、で笑ってしまった。ほんとこれ。主人公のKって、レプリカントとは思えないんだよな。仮に人間だとしても錯乱しているのでは。
特に、ラストでデッカードと娘を会わせるのが僕の中では一番の謎。デッカードもここで会ったら今まで我慢していたのが台無しになると思うんだけど、え会っちゃうの?って感じ。娘に会いたくて仕方ない気持ちは分かりますが、代わりに娘の生存確率をものすごく下げてる気がするけどいいの?そのあと一緒に逃避行か革命軍に合流する予定なら辻褄は合うけど。
imalive - 【ネタバレ有】映画「ブレードランナー2049」 感想・レビューと11の疑問点を徹底解説!/ビジュアルもストーリーも超一級品に仕上がった傑作!
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分かりやすい解説。
映画の秘密 - ブレードランナー2049のラストの意味を解説!続編はあるの?
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Kは最後で死んだ、デッカードはレプリカント説。
【ネタバレあり】町山智浩『ブレードランナー2049』徹底解説
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ピノキオの話、というのは凄く納得感ある説明。
清水節 - 「ブレードランナー2049」を10倍楽しむためのポイント10
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個人的にはKがあそこで死んだとか、ただの偽の記憶を掴まされたレプリカント、っていう話の筋だとやや納得がいかないんですね。だって、3時間近く座席に張り付いて見て、今まで見てた主人公が攻殻機動隊でいうゴミ収集車の清掃員と同類のマヌケでした、ってあんまりじゃない?しかも、その清掃員が言うなれば素子のような最強の義体に相当する最強レプリカントのラブを倒してしまったとしたら、お話のカタルシスはどこへ行ってしまうのか。
いや、それ自体が面白いというメタな話なら良いんですが、続編で何らかの回収がありそうな気がしてなりません。