白洲次郎、読んでてかっこ良すぎるやろ、という感想しか出てここない。
金持ちの家に生まれ、中学生にしてまだ自動車が走るような道が無かった日本を自動車(ペイジ・グレンブルック)で乗り回す。その後イギリスのケンブリッジに留学し、ブガッティやベントレーを乗り回す。金持ちのとんでもないボンボンだが、この男が戦後の日本を救う、というと大げさだけど対GHQや政治や経済において暗躍することになる。
とにかく先見性が凄く、自分の筋を曲げないのが凄い。
- 軍人に、ナチスドイツとの防共協定が米英を的に回すことになると断言し反対する
- 昭和15年にドイツがポーランドに侵攻したとき、すぐに日本は米英を敵に回した大戦が起き、戦争に負けて日本は焼け野原になり、食糧自給が困難になると予想し、東京の家を売り払い鶴川村に5000坪の土地を買って農家に転身
- 軍部が政治をコントロールし始めていた時代に、軍人に「軍人は戦争のことだけ考えてりゃいいじゃないか。軍が政治や経済にまで口出すなんていうのはとんでもない話だ」と説教
- GHQの将軍に「大変立派な英語ですね」と言われ「あなたももう少し勉強すれば立派な英語になりますよ」と答える
- 貿易庁長官に就任するが、産業を起こし輸出立国になるためには、経済外交が必要であるとして、外務省の役人を100人近く商工省に配置するなどの改革を行い、通産省が誕生
- 戦後の電力不足を解決するために、戦時経済に1つにまとめられた国営の電力会社を9つに解体、民営化、自らも東北電力の会長となる
- 電力のみならず、蔵王のブランド化など東北の活性化にも尽くす
ちなみに当時の新聞では、「吉田茂の側近」「総裁側近の奸」「現代のラスプーチン」等と言われていたらしい。
こういう戦前戦後の政治経済関係の本を読むと、以前読んだ 日本興業銀行 や 絢爛たる醜聞 岸信介伝 にも繋がって徐々に点が線に、線が面になってくる感覚はちょっと面白い。
参考
白洲次郎の心を打ち抜く名言
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